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DATA-DRIVEN NOVEL RANKING

千早 茜

独自に収集した評価データで選ぶ、"本当に愛されている小説"のランキング

PROFILE

北海道江別市出身の小説家。父の仕事の関係で小学校時代をアフリカのザンビアで過ごし、帰国後は古典文学に傾倒するなど独自の感性を育む。立命館大学文学部を卒業後、医療事務や美術館など多数のアルバイトを経験しながら創作を続け、29歳のときに挑戦した小説すばる新人賞を受賞。デビュー作「魚神」は翌年に泉鏡花文学賞を受賞し、鮮烈な文学的出発を飾った。その後も島清恋愛文学賞や渡辺淳一文学賞など数々の賞を受賞し、2023年には「しろがねの葉」で直木三十五賞を受賞。恋愛や人間関係の機微を繊細に描く作風で知られ、香りをテーマにしたシリーズ作品など多彩な執筆活動を展開している。

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ランキング

1透明な夜の香り

透明な夜の香り

2020年刊行

10,424pt

TOTAL SCORE

古い洋館に暮らす調香師・小川朔は、どんな香りでも作り出せる天才だ。しかし彼の真の特異性は、人の汗や呼気から感情、健康状態、さらには嘘までをも嗅ぎ分けてしまう、人並み外れた嗅覚にある。そんな朔のもとに家事手伝いとして雇われた元書店員の一香は、風変わりな依頼人たちが次々と訪れるサロンの日常に溶け込みながら、朔が天才であるがゆえに深い孤独を抱えていることに気づき始める。読者からは、「頁から香りが立ち上ってくる意味がわかる」という声が相次ぐ本作。朔の声を「紺色の声」と表現するなど、嗅覚だけでなく色彩や音まで全感覚を揺さぶる描写が随所に光る。香りは脳の海馬に直接届いて永遠に記憶されるという言葉が示すとおり、一香が蓋をしてきた過去もまた、ある香りとともに少しずつほぐれていく。執着と愛着の違い、そして孤独の意味を問いかけながら、物語は静謐でありながら鮮烈な読後感へと着地する。

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絶賛2,916
好評2,477
普通1,082
不評148
酷評43

TOTAL 6,666 reviews

2しろがねの葉

しろがねの葉

2022年刊行

6,438pt

TOTAL SCORE

戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。親を失い、天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、坑道の闇に恐れと憧れを抱きながら、女だてらに間歩で働き始める。しかし成長とともに、女であることがウメの行く手を阻み始める。「血肉の匂いがしそうな迫力」と読者が表現するほどに、命を削りながら銀を掘る男たちと、その命が尽きるまで支え続ける女たちの生き様が、圧倒的な筆致で描かれる。平均寿命三十歳という過酷な現実の中、愛する者との別れを繰り返しながらも、ウメは運命に抗い続ける。「足掻きましょう、無為に思えても。どこにも逃げられはしないんです」という言葉が、物語全体に通底するウメの強靭な精神を象徴する。銀のように冷たく美しい光を放ちながら、生きることの苦悩と官能を描き切った大河長編。直木賞受賞という評価に十分すぎるほど応える、渾身の一作。

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絶賛1,162
好評1,161
普通540
不評101
酷評28

TOTAL 2,992 reviews

3赤い月の香り

赤い月の香り

2023年刊行

6,068pt

TOTAL SCORE

天才調香師・小川朔が暮らす古い洋館。人並外れた嗅覚を持つ彼は、依頼人が心の奥底に秘めた欲望を、ただひとつの香りへと変える仕事をしている。そこへ新たに雇われたのは、カフェでアルバイトをしていた青年、朝倉満。怒りを抱え、過去のトラウマを引きずる彼が朔に放たれた言葉は、「君からはいつも強い怒りの匂いがした」という一言だった。前作から続く朔の孤高な佇まいはそのままに、今作では前作よりもダークで人間臭いドラマが展開される。いじめ、暴力、家族との断絶、そして赦し。香りにまつわる執着を持った依頼人たちとの対話が積み重なるにつれ、満の封じ込めた記憶と、朔が彼をそこへ招いた本当の理由が、じわりと浮かび上がってくる。「赤い月」というタイトルに込められた意味もまた、ラストで静かな衝撃をもたらす。「香りは、一瞬で時を超える」。植物と季節の描写が五感に染み込んでくる、深みと余韻に満ちた長編小説。

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絶賛937
好評1,162
普通663
不評47
酷評15

TOTAL 2,824 reviews

4男ともだち

男ともだち

2014年刊行

4,966pt

TOTAL SCORE

29歳のイラストレーター、神名葵。冷めかけた恋人と同棲しながら、妻子ある医師との逢瀬を重ねる。仕事は軌道に乗りはじめたが、本当に描きたかったものが見えなくなっていた。そんな停滞した日々に届いたのは、7年ぶりに連絡をよこした大学時代の先輩、ハセオからの電話だった。お互いに常に恋人がいながら、決して一線を越えることのなかった二人。愛人でも恋人でもない、ただの男ともだち。それ以外に呼び名が浮かばない、曖昧で確かなつながり。直木賞候補にもなったこの物語は、読者の間で賛否を真っ二つに割った。登場人物たちの生き様を解説者は「ものの見事に屑ばかりだ」と言い切る一方、多くの読者がハセオのある言葉に心を打たれた。愛情とはなにかと問われたハセオが返した答えは、「見ててやることかな」というひと言。異性間の友情は成立するのか、男ともだちという関係はずるいのかリアルなのか、読む者それぞれの経験と価値観が、そのまま問われる物語である。

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絶賛766
好評968
普通745
不評128
酷評53

TOTAL 2,660 reviews

5神様の暇つぶし

神様の暇つぶし

2019年刊行

4,899pt

TOTAL SCORE

親を亡くし、孤独な夏を過ごしていた二十歳の藤子の前に、血濡れた腕を引きずりながら現れたのは、父よりもさらに年上の写真家だった。妙に人懐っこいくせに、時折見せるひやりとした目つき。その男との出会いが、停滞していた藤子の時間を再び動かしていく。三十歳以上も年の離れた二人の間で芽生える感情は、周囲の目など関係なく、どんどん深みへと引き込まれていく。食欲、官能、生の欲望が渾然一体となった生々しい描写は、読者の五感を容赦なく揺さぶる。溺れて苦しくてどうしようもなくなる感覚の描き方が圧倒的と評されるように、恋に落ちるとはこういうことか、と息をのむ場面が続く。表紙に描かれた二つの林檎が示す禁断の果実のごとく、手にしてはならないと知りながらも抗えない関係が、鮮烈に刻まれていく。全体的に静かなのに鮮明で激しい、独特の余韻が長く尾を引く恋愛小説。あのひとを知らなかった日々には、もう戻れない。

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絶賛714
好評959
普通710
不評124
酷評37

TOTAL 2,544 reviews

6さんかく

さんかく

2019年刊行

4,514pt

TOTAL SCORE

恋はもういらないと割り切るデザイナーの夕香、研究一筋で恋人にもなかなか会えない大学院生の華、そしてその二人の間をふらふらと揺れる営業職の正和。舞台は古い木造の京町家、季節の移ろいとともに描かれる、三角関係とも呼べない微妙な三角形の人間模様。正和は夕香と食の趣味が合うという理由だけで同居を始めるが、恋人の華にはどうしても打ち明けられない。ドロドロした修羅場を期待すると少し肩透かしを食らうかもしれない。あくまで揺れ動くのは感情の機微であり、その繊細さこそがこの作品の核心だ。読者からは「触ったら割れてしまうようなあやうい関係性」という声もあがるほど。各章には塩むすびや鰯の梅煮など料理名がタイトルとして付けられ、食の描写がひたすら美味しそうで、思わずお腹が鳴る。そして研究者の華が動物を解剖する生々しい場面と、温かい手料理との対比が独特のリズムを生む。相手を想って作ったごはんは薬になる、そんな言葉がしみじみと胸に刺さる一冊。

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絶賛477
好評1,027
普通612
不評77
酷評15

TOTAL 2,208 reviews

7西洋菓子店プティ・フール

西洋菓子店プティ・フール

2016年刊行

4,053pt

TOTAL SCORE

下町の商店街に佇む創業四十年を超える西洋菓子店「プティ・フール」。フランスで修業を積んだパティシエールの亜樹は、頑固な菓子職人の祖父のもとで腕を磨きながら、日々菓子作りに向き合っている。グロゼイユ、ヴァニーユ、カラメル、ロゼ、ショコラ、クレーム。洋菓子の名を冠した六つの短編が紡ぐのは、店を訪れる人々のそれぞれの事情と変化だ。亜樹の婚約者、後輩、常連客、そして女ともだち。全員が誰かへの届かない思いを抱えながら交差する、いわば「全員片思い」の連作短編集である。甘やかで美しいスイーツの描写に誘われながら読み進めると、そこに潜むのは人間の欲望や秘密、ほろ苦い感情の機微だ。「女を昂奮させない菓子は菓子じゃない」と言い放つじいちゃんの言葉が静かに物語の軸を貫き、菓子作りと人間関係の奥深さを重ね合わせていく。甘いだけの物語と思うなかれ。

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絶賛414
好評856
普通682
不評87
酷評20

TOTAL 2,059 reviews

8マリエ

マリエ

2023年刊行

3,716pt

TOTAL SCORE

40歳を目前に、夫から「恋愛がしたい」という理由で離婚を切り出された桐原まりえ。2年近い話し合いの末に7年半の結婚生活に終止符を打った彼女が、離婚届を出した朝に感じたのは、寂しさではなく清々しさだった。ひとり暮らしの日々は思いのほか快適で、自らを慈しむ生活がまりえを静かに変えていく。そんな中、行きつけのフレグランスショップで「マリエ」という名の香水と出会い、7歳年下の由井くんとの距離が縮まっていく。さらにひょんなきっかけから結婚相談所に登録したまりえは、そこで見聞きする切実な現実と結婚観に次々と向き合うことになる。「自分が人生に求める幸せとは何なのか」という問いを抱えながら揺れ続けるまりえの姿は、「心の奥、深いところに鋭く刺さる」と読者の共感を集めた。恋愛と結婚は別物なのか、幸せは誰が決めるのか。三つの言葉で綴られた9章の扉が洒落た、大人の女性の幸福をめぐる長篇だ。

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絶賛341
好評770
普通554
不評68
酷評24

TOTAL 1,757 reviews

9クローゼット

クローゼット

2018年刊行

3,133pt

TOTAL SCORE

18世紀のコルセットやアンティークレース、バレンシアガのコートにディオールのドレスまで、約一万点の衣装が眠る服飾美術館。その静謐な空間で、洋服の補修士として働く纏子は、幼い頃のある出来事が原因で、男性恐怖症を抱えたまま大人になった。一方、デパートの婦人服売り場のカフェで働く芳は、男性でありながら女性服を愛するがゆえに、深く傷ついた過去を持つ。ある展示会を機に出会った二人だが、その繋がりはずっと遠い記憶の中にも潜んでいた。「クローゼット」という閉じられた空間は、二人にとって秘密の隠れ家であり、自由になれる場所だった。しかしクローゼットから一歩踏み出すとき、ガラスの靴は粉々になる。洋服の傷みを当時の姿へと丁寧に戻す補修士の仕事が、心の傷みにもそっと寄り添うように、物語は静かに、しかし確かに二人を前へと押し出していく。服の歴史と人の痛みが交差する、繊細で美しいお仕事小説。

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絶賛281
好評446
普通355
不評51
酷評13

TOTAL 1,146 reviews

10わるい食べもの

わるい食べもの

2018年刊行

3,095pt

TOTAL SCORE

小説すばる新人賞と泉鏡花文学賞をデビュー作でダブル受賞した作家による、初のエッセイ集。小学生時代の大半をアフリカで過ごすという異色の経歴を持つ著者が、「食」をテーマに幼少期の記憶から創作の裏側、世の中への疑問まで多彩につづります。アフリカの海岸で体験した衝撃的なウニの記憶、表参道のおしゃれカフェで体にいいメニューを選んだら鳥の餌のようなプレートが出てきた話など、「気高き毒気が冴えわたる」エピソードが並びます。食エッセイといえば美食や旅の記憶を綴るイメージですが、読者からは「食べるという行為と生きることが不可分であることを感じさせる」という声も上がっています。「ユーモラスな毒と愛を持って綴られた食べ物たちは、驚くほど魅惑的だ」という作家・島本理生氏の言葉通り、日常の食事をまったく別の一口に変えてしまうような筆力が光ります。「いい食べもの」情報があふれる世の中への痛烈な問いかけでもある本作は、食の奥深さを通じて生き方そのものを見つめ直す一冊です。

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絶賛291
好評343
普通205
不評33
酷評14

TOTAL 886 reviews

11ひきなみ

ひきなみ

2021年刊行

3,012pt

TOTAL SCORE

瀬戸内の小さな島で出会った、二人の少女。家庭の事情で祖父母のもとへ預けられた葉と、孤独を抱えながら生きる真以は、やがて深く心を通わせていく。しかし、島に潜伏していた男と共に真以が姿を消したことで、葉は深い喪失感を胸に抱えたまま東京へと戻る。二十年後、大手企業で働く葉は、上司からの執拗なハラスメントに身も心も追い詰められていた。そんな折、ネット上で真以に似た人物を発見した葉は、居ても立ってもいられず会いに行くことを決意する。魂はつながる、という書店員の言葉通り、二人が背負ってきた傷と葛藤は現代にも深く響く。諦めていい、逃げてもいい。いつかきっと、闘える日が来るから。女性として生きることの理不尽さと、それでも前へ進もうとする二人の姿を描いた、切実で力強い物語。

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絶賛220
好評472
普通312
不評37
酷評7

TOTAL 1,048 reviews

12からまる

からまる

2011年刊行

2,966pt

TOTAL SCORE

生きる目的を見出せない地方公務員の男、不慮の妊娠に悩む女子短大生、クラスで孤立する少年など、それぞれの苦悩を抱えた7人の男女が主役を務める連作短編集です。かたつむり、くらげ、ひとでなど、各話に登場する生き物が、登場人物たちの姿と巧みに重ね合わされていきます。視点が切り替わるたびに人物の輪郭が深まり、一見無関係に見えた人々が思いがけない形で繋がっていく構成は、まさしく蔦が絡まるような鮮やかさです。心理描写は繊細で美しく、登場人物たちの溜め息の音まで聞こえてきそうな筆致が魅力です。一人でねじれて絡まって動けなくなるより、誰かと絡まり合うことの大切さを静かに問いかける、泉鏡花賞作家のデビュー初期を代表する作品です。

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絶賛263
好評350
普通223
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酷評16

TOTAL 882 reviews

13燻る骨の香り

燻る骨の香り

2026年刊行

2,889pt

TOTAL SCORE

江戸時代から続く京都の香老舗・瑞雲堂。飛びぬけた才能を持つ妹の荼毘の場に、あるはずのない最高級の沈香・伽羅の薫りが満ちた。その謎を追うように、伽羅の骨を探す男と、生前の約束を果たしに来た調香師が姉の前に現れる。香りは言葉よりも傲慢だ、理性で拒む間も無く、身体の最深部を領土としてしまう。超人的な嗅覚で嘘までをも嗅ぎ分ける若き調香師が暴いていくのは、老舗一族に深く染みついた愛憎と執着の正体。静かなのにずっと不穏、違和感が積み重なっていくダークな緊張感の中、物語は予想外の結末へと向かう。香りのサロンを開く前の調香師・小川朔を描いた前日譚にして、人気シリーズの完結編。

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絶賛230
好評252
普通151
不評13
酷評2

TOTAL 648 reviews

14あとかた

あとかた

2013年刊行

2,733pt

TOTAL SCORE

結婚を控えた女性の密かな逸脱、孤独を抱えた男の転落、傷だらけの女友達との奇妙な同居、そして自らを傷つけながらも愛を求める女性。ひらがな三文字で名付けられた六つの短編が、ひとりの男の死を軸に静かに絡み合う連作小説。「きれいに洗っても、まだ、残っているもの。」登場人物たちは皆、変化を恐れ、傷つくことを恐れ、それでもどこかで誰かを必要としながらもがき続ける。孤独の渦に巻き込まれながらも、痛みの奥底にほのかな温もりが宿る、島清恋愛文学賞受賞作。

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絶賛214
好評408
普通305
不評48
酷評17

TOTAL 992 reviews

15魚神

魚神

2009年刊行

2,672pt

TOTAL SCORE

遊女屋が軒を連ねる、外界から閉ざされた孤島。そこでは、島の祠に棲む獏が夢を食らうため、島民は誰ひとり夢を見ない。そんな澱んだ世界に生きるのが、捨て子の美貌の姉弟、白亜とスケキヨだ。互いだけを心の拠りどころに育った二人だが、やがて遊女と男娼として離れ離れに売られてしまう。惹かれ合いながらも、拒絶を恐れて近づけない。ぬるりとした闇と妖しい香りが漂う幻想世界の中で、二人の魂は互いの尾を追う魚のように彷徨い続ける。島に古くから伝わる雷魚伝説が、やがて二人の運命と静かに交錯していく。著者のデビュー作にして、小説すばる新人賞と泉鏡花文学賞をダブル受賞した傑作幻想小説。

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絶賛247
好評372
普通293
不評78
酷評18

TOTAL 1,008 reviews

16胃が合うふたり

胃が合うふたり

2021年刊行

2,180pt

TOTAL SCORE

茶をこよなく愛する記録魔の作家と、季節を問わずかき氷を食べ続けるストリッパーの元書店員。正反対に見えるふたりが「胃が合う」という一点で結びついた、美味追求の往復エッセイです。銀座でパフェを何軒もはしごし、京都で生湯葉かけご飯に向き合い、神保町で上海蟹を堪能する。食への執着と底なしの胃袋を持つふたりが、同じ食卓を囲みながらそれぞれ全く異なる景色を描き出します。食の話にとどまらず、コロナ禍の日々や人生の岐路、つかず離れずの絶妙な距離感も綴られ、「胃袋のソウルメイト」と呼ぶにふさわしい深い友情が浮かび上がります。グルメエッセイの皮をまとった、大人の友情論としても読み応え十分の一冊です。

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絶賛134
好評192
普通157
不評12
酷評4

TOTAL 499 reviews

17正しい女たち

正しい女たち

2018年刊行

2,168pt

TOTAL SCORE

セックス、結婚、プライド、老い。日常の片隅に置き去りにされた、誰もが気になるのに口にしにくいテーマを、六つの物語で鮮やかに切り取った短編集です。私立の中等部で出会った四人の女性たちのその後を軸に、登場人物たちが物語をまたいで密かに交差する連作構造も読みどころのひとつ。「不倫も、おそらく夫婦も、きっとすべては演技だったのだ」という言葉が象徴するように、自分の正しさを信じ突き進む女性たちの姿は、したたかでせつなく、時に恐怖さえ感じさせます。離婚が決まった途端に穏やかになる夫婦、ストーカーじみた執着を退ける女性、年齢への偏見に静かに復讐する者。正しさとは何かを突き詰めると、それはやがて凶器にもなりうる。読後には、ずんと重たい余韻とともに、自分自身の正しさを問い直さずにはいられない一冊です。

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絶賛142
好評382
普通466
不評94
酷評19

TOTAL 1,103 reviews

18犬も食わない

犬も食わない

2018年刊行

2,144pt

TOTAL SCORE

最悪な出会いから始まった、派遣秘書の福と廃棄物処理業者の大輔。脱ぎっぱなしの靴下、流しに放置された食器、言葉足らずな男と言い過ぎてしまう女。「だめな男」と「めんどくさい女」が同棲しながら喧嘩を繰り返す様子を、女性側と男性側それぞれの視点で二人の著者が交互に描いていく共作恋愛小説。他人の「いいね」からは程遠いのに、ありふれていて理解されないこの二人の関係は、厄介なくらい唯一無二。読み終えると、「なんでそんな人と付き合ってるの?」なんて二度と言えなくなる、そんな生々しくも共感必至の一冊。

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絶賛205
好評261
普通331
不評96
酷評21

TOTAL 914 reviews

19グリフィスの傷

グリフィスの傷

2024年刊行

2,094pt

TOTAL SCORE

「からだは傷みを忘れない、たとえ肌がなめらかさを取り戻そうとも。」いじめ、事故、誹謗中傷、不条理な暴力、そして自らが選ぶ痛み。人がその身に刻む傷の形は、数えきれないほどに多様だ。「みんな、皮膚の下に流れている赤を忘れて暮らしている」という言葉が示すように、私たちは他者の痛みにいかに無自覚でいられるか。10の短編それぞれが静かに、しかし鋭く問いかけてくる。タイトルの「グリフィスの傷」とは、ガラスに宿る無数の目に見えない微細な傷のこと。人の心もまた、見えない傷を積み重ね、ある瞬間に割れてしまう。傷とともに生き、傷痕を自分の証として受け入れていく登場人物たちの姿が、切々とした疼きとふくよかな余韻を残す短編集。

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絶賛131
好評240
普通242
不評36
酷評7

TOTAL 656 reviews

20しつこく わるい食べもの

しつこく わるい食べもの

2021年刊行

1,987pt

TOTAL SCORE

直木賞作家による、偏屈でめんどくさい食いしん坊の本音を綴った食エッセイ第2弾です。ハンニバル・レクター博士に憧れ、断捨離に逆らって炊飯器を擁護し、要らぬ助言には噛みつき、よく腹を下す。そんな著者の自由な日常は、否応なくコロナ禍に侵食されていきます。パフェほどエロいものはないと断言し、他人が握ったおにぎりは食べられないと告白する。食に対するこだわりと本音が、包み隠さずつづられています。読者からは驚愕と共感の声が相次ぎ、小説のイメージとはまったく異なるその素顔に、戸惑いながらも引き込まれる人が続出。あなたとわたしの欲望を肯定する、ひねくれものの力強い応援歌です。

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絶賛104
好評209
普通122
不評16
酷評4

TOTAL 455 reviews

21ガーデン

ガーデン

2017年刊行

1,776pt

TOTAL SCORE

「放っておいて欲しい。それが僕が他人に求める唯一のこと。」幼少期を発展途上国で過ごし、広大な庭だけが世界だった帰国子女の編集者・羽野。現在も緑に埋め尽くされた部屋で植物と暮らす彼は、女性にはもてはやされながらも、誰とも深い関係を築こうとしない。「植物になら、惜しみなく与えられるのに。」という言葉が、彼の本質を鋭く言い当てる。侵食するような濃密な植物描写と、それぞれに異なる顔を持つ女性たちとの交錯の中で、「異端者は幸せになれるのか、幸せにできるのか」という問いが静かに積み重なる。爽快感のない淡々とした筆致でありながら、読む手が止まらない、著者会心の感動作。

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絶賛130
好評259
普通384
不評94
酷評21

TOTAL 888 reviews

22おとぎのかけら 新釈西洋童話集

おとぎのかけら 新釈西洋童話集

2010年刊行

1,609pt

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誰もが幼い頃に親しんだ西洋童話が、現代日本を舞台に、美しくも恐ろしい物語として生まれ変わる。ヘンゼルとグレーテル、白雪姫、シンデレラなど7つの童話をモチーフに、嫉妬、憎しみ、歪んだ愛情といった人間の奥底に潜む感情が、息を呑むようなリアルさで描かれる。元の物語とのリンクは「言われてみればなるほどね」という程度でありながら、読むほどにその本質が鋭く浮かび上がる。必ずしもハッピーエンドが待っているわけではない7編は、どろりとした余韻を残しつつも、光の差すような結末を持つ作品も収録され、読後の感触は一様ではない。泉鏡花文学賞受賞後の第一作にして、著者の耽美な世界観が凝縮された短編集。

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絶賛98
好評239
普通322
不評73
酷評20

TOTAL 752 reviews

23雷と走る

雷と走る

2024年刊行

1,577pt

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直木賞作家のデビュー作ではなく、受賞後に放つ渾身の一作です。治安の悪いアフリカの地で、幼い少女まどかが出会ったのは、雷のような逆毛を背負う番犬、虎。首輪もなく広大な庭を駆け抜ける、その野性的な美しさ。まどかと虎は、守り守られながら、魂の伴侶とも呼べる絆を結んでいきます。しかし帰国の際、野生の本能を宿す虎を日本へ連れ帰ることはできなかった。ずっと愛がわからない。示し方も、受け取り方も、わからない。わからないのに、あれこそが愛だったと確信している。虎は、私が所有した唯一の愛だった。過去と現在が静かに交差しながら、命と愛の責任を問いかける物語です。

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絶賛81
好評192
普通294
不評56
酷評7

TOTAL 630 reviews

24眠れない夜のために

眠れない夜のために

2024年刊行

1,521pt

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「眠れない夜は、クッキー缶を開ける」「眠れない夜は、ばけものになる」。そんな書き出しで始まる十の夜の物語が収められた短編集。深夜の台所でひとり佇む時間、雨音に混じって他者の心が聞こえてしまう青年、刺繡を生業とする者の暮らしに現れた旅人。孤独と静寂の中に、ほのかな温もりや不思議な恐ろしさが同居する。数ページで完結するショートショートに近い構成ながら、「夜の静かな孤独が描かれているのに心が落ち着く」と読者に言わしめるほどの余韻がある。人気イラストレーターによる黒と青を基調とした挿絵が物語の空気をさらに深め、まるで大人の絵本のような質感を生み出している。直木賞作家が織りなす夜の世界は、眠れない不安をそっと包み込み、孤独を抱えるのは自分だけではないと静かに語りかけてくる。

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絶賛103
好評213
普通300
不評76
酷評22

TOTAL 714 reviews

25あやかし草子 みやこのおはなし

あやかし草子 みやこのおはなし

2011年刊行

1,496pt

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古い都の南、朽ちた楼門の袂で笛を吹く男の前に、鬼が現れるところから物語は幕を開ける。鬼、ムジナ、天狗、龍、幽霊、座敷童子といったあやかしたちと人間との交流を描いた六編の短編集。泉鏡花賞受賞作家がデビュー作を彷彿とさせる繊細な筆致で紡ぐ、民話や伝承を下敷きにした大人のためのお伽噺だ。純粋で自らのルールに忠実なあやかしたちの目を通すと、欲深く、感情を剥き出しにする人間の滑稽さが浮き彫りになる。しかし時に人間の流す涙や、細い細い絹糸のような情がほだされたあやかしの心を静かに動かしていく。怖くて切なくて、温かな余韻の残る一冊。

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絶賛64
好評107
普通74
不評8
酷評1

TOTAL 254 reviews

26眠りの庭

眠りの庭

2013年刊行

1,430pt

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2つの短編が収録された連作集。第1作「アカイツタ」では、女子校に赴任した臨時教員の萩原が、美術準備室で見つけた一枚の絵に引き寄せられていく。その絵のモデルは、恩師の娘・小波という女性だった。白い肌と長い黒髪、底なしの瞳を持つ彼女に近づくほど、萩原は彼女と父親が抱える闇の深さを知ることになる。第2作「イヌガン」では一転、穏やかな日常を送るカップルの物語が幕を開ける。しかしその静けさの裏に、じわじわと不穏な気配が忍び込む。読者レビューが語るように、文章の美しさに浸っているうちに、気づいた時には逃げ遅れた気分になる作品。2つの物語が「蔦が絡み合うように」ひとつに結びついたとき、隠されていた衝撃の真実が浮かび上がる。

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絶賛100
好評145
普通213
不評62
酷評11

TOTAL 531 reviews

27夜に啼く鳥は

夜に啼く鳥は

2016年刊行

1,421pt

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古来より体内に「蟲」を宿す不老不死の一族がいた。その末裔にして一族最強の力を持つ御先は、150年以上生きながら10代の少女のような姿のまま、現代の都会でひっそりと権力者の治癒を生業としている。性別を持たず、老いることも死ぬこともない孤高の存在。そんな御先の前に、同じ力を持つ青年・四が現れたことで、封じ込めてきた過去の罪と、抑え込んできた感情が揺らぎ始める。「肉体は若いままであっても、心は老いるのだよ」という言葉が物語の核心を突く。八百比丘尼伝説を起点に、始祖シラの哀しい生涯から現代パートへと時代を超えて紡がれる連作短編集。禍々しくも美しく、そして哀しい現代奇譚。

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絶賛72
好評109
普通105
不評23
酷評2

TOTAL 311 reviews

28桜の首飾り

桜の首飾り

2013年刊行

1,411pt

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桜の花びらで作った首飾りは、いずれしおれる。そんな言葉を冠した本作は、桜をめぐる七つの短編集。あたたかく柔らかい桜、冷たく微笑む桜、烈しく乱れ散る桜と、一つの花がまるで表情を変えるように、それぞれの物語で異なる顔を見せる。狐に健全な心を喰われるという奇妙な出会い、夫の亡妻の身代わりだと気づいた女の密やかな逃避、青い桜の刺青の標本を巡る不思議な依頼。登場する人物たちはどこか謎に満ちていて、幻想、羨望、嫉妬、そして自己回復の物語が、桜の靄のように静かに漂う。読者からは「陰の美しさ」「桜のように儚いけれど濃密」という声も上がる、泉鏡花文学賞受賞作家による繊細な一冊。

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酷評12

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29こりずに わるい食べもの

こりずに わるい食べもの

2022年刊行

1,393pt

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「体にいい」の呪縛を解き放ち、欲望の赴くままに食の海原を突き進む、偏屈な食いしん坊作家による食エッセイ、シリーズ第3弾。三十年暮らした京都を離れ、初めての東京ひとり暮らしを舞台に、食への飽くなき探求心がさらに加速する。コロナ禍の制限をかいくぐりながら、果実食への挑戦、横浜中華街での肉汁過多の極北体験、10代の息苦しさを救った雨の日のcocoa、そしてアフリカ時代の鮮烈な記憶まで、全30話が収録される。食べ物の話でありながら、いつしか著者の人生観や生き様がちらりと顔をのぞかせる構成が読者を引きつけてやまない。読み始めると止まらない中毒性がある、と評されるシリーズの真骨頂。自由を問い続ける羅針盤を手に、新たな都市で食の地図を塗り替えていく著者の姿が眩しい一冊。

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絶賛61
好評105
普通75
不評11
酷評3

TOTAL 255 reviews

30人形たちの白昼夢

人形たちの白昼夢

2017年刊行

1,362pt

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嘘をつけない男と、嘘しか口にしない女の出会いから紡がれる、全12編の幻想短編集。声を失った女性が招待状に導かれた先で味わう、記憶を呼び覚ます料理。荒廃した世界に現れる、美しくも危険な自動機械人形。ティーポットが語る、持ち主との静かで切ない物語。どの作品にも「人形」と「青いリボン」が息づき、残酷さと温もりが絶妙に混ざり合います。読者からは「一つ一つ輝き方の違う宝石を見せてもらったような短編集」「白昼夢のように儚い」と評される、詩的で芸術的な世界観。デビュー作で泉鏡花文学賞を受賞した著者が、幻想とリアルの境界を溶かしながら描く、アンティークジュエリーのような煌めきを持つ作品集です。

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普通137
不評43
酷評6

TOTAL 398 reviews

31なみまの わるい食べもの

なみまの わるい食べもの

2025年刊行

1,207pt

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人生の大波小波を、食を通してあざやかに切り取った食エッセイ。直木賞受賞の舞台裏、再婚、猫との新生活と、激動の日々を背景に、偏屈な食貴族の視点が冴えわたる。偏見や雑音に負けず、身体に悪いとされるものでも、自分が好きなものを好きに食べる、いわば食の「わるいやつ」を貫く姿勢が痛快だ。以前のような暴食ぶりとは少し変化しながらも、食への執着と繊細な観察眼は健在で、読者からは「いつまでも丸くならずに尖った感性で書き続けてほしい」という声も寄せられている。竹の皮に包んだおにぎりを受賞待機に持参するユーモア、猫との愛しい日常、ウィーンで出合った美食の数々。短編ながら読み応えは十分で、シリーズ初読みでも迷わず楽しめる一冊。

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酷評0

TOTAL 181 reviews

32森の家

森の家

2012年刊行

792pt

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血の繋がりを持たない三人が、緑に覆われた静かな家で暮らす、ちょっと普通じゃない「家族」の物語。干渉しない、束縛しない、その絶妙な距離感が生み出す居心地のよさは、恋人の突然の失踪によって崩れ始める。「なかなかに不健康な物語」と評されるほど、三人それぞれが孤独を拗らせ、互いに目を逸らしながらも、どこかで寄り添おうとしている。各章はみり、まりも、佐藤さんの一人称で綴られ、同じ家の中でも見えていなかった互いの深い孤独が少しずつ露わになっていく。「家族という概念は放浪の旅に似ている」という著者の言葉通り、三人は本当の居場所を求めてさまよいながら、それぞれなりの答えへと辿り着こうとする。デビュー作で小説すばる新人賞と泉鏡花文学賞をダブル受賞した著者が描く、歪でいとしい、家族のかたち。

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絶賛23
好評76
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酷評4

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33鳥籠の小娘

鳥籠の小娘

2019年刊行

652pt

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村はずれの小屋で、ただひたすら美しい鳥籠を作り続ける一人の娘。その鳥籠はやがて村人たちに「幸福が宿る」と崇められ、欲にまみれた人間たちによって娘は籠の中に閉じ込められていく。嵐の夜に現れた魔物が娘に囁く。「不幸な奴がひとりいれば安心だからだ」と。しかし娘は動じない。「わたしはこの鳥籠のようにからっぽでいたいの。草花や空の色も、朝の澄んだ空気も夜の湿り気も、からっぽだから入ってくるの」。真の自由と幸福とは何かを問う、孤独と再生の大人の絵本。宇野亞喜良による耽美な挿絵が、物語の幻想的な世界観をいっそう深く染め上げる。

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普通43
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酷評1

TOTAL 103 reviews

34
No image

カウントダウン

2016年刊行

95pt

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結婚しているにもかかわらず、他の男性と関係を持ってしまった女性ミヤ。その事実が夫に発覚し、四ヶ月半後の離婚が決定した。激しくぶつかり合う日々を経て、不思議なことに、離婚が確定してからの方が穏やかな生活が戻ってきた。「最後くらい楽しく暮らそうか」という言葉が象徴するように、終わりに向かうカウントダウンの中で、二人の間にかつての温もりが漂い始める。そこへ、関係が発覚した際に保身に走ったあの男から連絡が入る。終わりゆく結婚と、過去の関係の間で揺れ動く三十代のキャリアウーマンの心情を、繊細な筆致で描いた作品。

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普通5
不評1
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35あなたとなら食べてもいい

あなたとなら食べてもいい

2021年刊行

56pt

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7人の作家が「食」というテーマのもとに紡いだ、色とりどりの短編アンソロジー。穏やかな食卓に潜む秘密、盗まれたエクレアが導く驚きの結末、人々の孤独が交差する居酒屋。甘く温かな食の物語を期待すると、その苦みある世界観に面食らうかもしれない。しかし「お腹がいっぱいなのがさびしいのではなく、食べても食べても埋まらないことが寂しいのかもしれない。」という一節が示すように、食を通じて浮かび上がるのは、人の心の機微と満たされない感情の渦。ホッコリ系とは一線を画す、ビターで奥深い人間ドラマが7篇に凝縮されている。

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好評58
普通263
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TOTAL 532 reviews

36しろとくろの偏愛

しろとくろの偏愛

2026年刊行

0pt

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保育園のアルバムの好物欄に「いも、もち」と書くほどの筋金入り餅好きが、餅とチョコレートへの偏愛を綴ったオールカラーエッセイ。理想の安倍川餅に出会ったうっとり具合がタクシー運転手に伝わるほどで、電車の中でも団子を食べることを厭わない。一方チョコレートには「泥に沈んでいく子豚」のように溺れ、最良の飲み物を求めて岩手まで足を運ぶ。餅とチョコ、それぞれの偏愛を深く掘り下げた33編に、人気イラストレーター西淑の豪華イラストが彩りを添える。

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